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法人決算前の節税チェックリスト10項目|経営判断で選ぶ

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この記事のポイント

  • 節税は目的ではなく、会社の方針に沿って選ぶ「経営判断」の一つです。
  • 節税の打ち手には、決算前・期中でないと実行できないものがあります。
  • 決算前に確認すべき節税項目は、大きく10項目に整理できます。
  • 各項目は「効果額」と「税務上のリスク」を定量的に比べて選ぶのが基本です。
  • MC LINK会計事務所は節税検討シートで網羅的に確認し、社長の判断を後押しします。

こんな状況、ありませんか

決算前になって「結局、何を確認すればいいのか分からない」と感じる。
中小企業の社長から、私たちはこの相談を毎期のように受けます。

節税は「やればやるほど得」というものではありません。
打ち手によっては資金繰りを圧迫したり、税務上のリスクを抱えたりするため、効果とリスクを見比べて選ぶ経営判断です。

この記事では、決算前に確認すべき節税項目を10項目に整理してお伝えします。
節税の最大化ではなく、自社の方針に合う打ち手を選ぶための基準としてお使いください。

なぜ節税は「決算前」に確認するのか

節税は決算日に近づくほど打てる手が減るため、決算前の早い段階で確認するのが有利です。

「決算が近づいてから節税を考えても遅い」とよく言われますが、これは半分だけ正しい表現です。
決算の3か月前であればまだ多くの選択肢が残っており、1か月前になると小さな打ち手の積み上げに限られていきます。
つまり問題は「もう遅い」ことではなく「何が間に合い、何が間に合わないか」を把握できていないことにあります。

たとえば役員報酬は、原則として期首から3か月以内に決めた金額を期中は変更できません。
事前確定届出給与(役員へのボーナスにあたる仕組み)も、事前に税務署へ届け出ていなければ損金(税務上の経費)になりません。
これらは決算前ではなく、期の早い段階で動いていないと間に合わない項目です。

だからこそ、決算月の2〜3か月前には、節税項目を一通り確認しておくことをおすすめします。
私たちはこのタイミングで、後述する10項目を節税検討シートで網羅的に確認しています。

決算前に確認すべき節税チェックリスト10項目

決算前に確認すべき節税チェックリスト10項目を一覧にした図です

社長が決算前に確認すべき節税項目は、大きく次の10項目に整理できます。

中小企業の節税は、思いつきで一つずつ試すものではありません。
打ち手をリスト化し、自社の方針に合うか、効果に見合うかを一つずつ判断していく作業です。
ここでは、私たちが毎期の決算前に確認している10項目を順に挙げます。
すべてを実行する必要はなく、自社に当てはまるものを選ぶ前提でお読みください。

1. 従業員へ決算賞与を支給するか

会社の好業績時に従業員に対し臨時で支給されるボーナスです。
利益還元で従業員のモチベーションを高めつつ、一定の要件を満たすことで当期の損金に算入し、法人税を節税できるという大きなメリットがあります 。

2. 事前確定届出給与を支給するか

役員へのボーナスを損金にするには、事前確定届出給与の届け出が必要です。
これは支給予定日や金額を事前に税務署へ届け出ておく仕組みで、届け出がなければ役員賞与は経費になりません。
通常、役員賞与は決算月に支給をすることが一般的です。
決算前に事前確定届出とおりに役員賞与の支給を行うかを検討します。

3. 旅費規程・出張日当を整備しているか

出張の多い会社は、旅費規程を整えることで日当を経費にできます。
日当は受け取る役員・社員側で所得税がかからず、会社側では損金になるため、規程の整備が節税につながります。
規程の有無と金額の妥当性を、決算前に確認します。

4. 小規模企業共済に加入しているか

社長個人の退職金準備として、小規模企業共済の掛金は全額が所得控除になります。
掛金は月額最大7万円・年額最大84万円まで設定でき、その分が社長個人の課税所得から差し引かれます。
加入状況と掛金額が適切かを確認します。

5. 経営セーフティ共済(倒産防止共済)を使えているか

取引先の倒産に備える経営セーフティ共済は、掛金が損金になる仕組みです。
掛金は月額最大20万円・累計800万円まで積み立てられ、その全額を損金に算入できます。
資金繰りに余裕がある期は、決算前の加入・増額を検討します。

6. 退職金の支給・準備を検討しているか

役員退職金は金額が大きく、税負担を抑えながら資金を移せる重要な手段です。
退職金は受け取る側の税負担が軽く設計されているため、事業承継や勇退の時期と合わせた計画が欠かせません。 支給予定がある場合は、損金算入のタイミングを決算前に確認します。

7. 資産購入のタイミングは適切か

設備や備品の購入は、決算前のタイミング次第で当期の経費にできるかどうかが変わります。
ただし「税金を減らすために不要なものを買う」のは本末転倒で、あくまで事業に必要な投資が前提です。
中小企業向けの即時償却や税額控除の制度が使えるかも合わせて確認します。

8. 在庫・不良資産を見直しているか

決算前に在庫や使わない資産を整理することで、評価損や除却損を計上できる場合があります。
売れ残った商品や使わなくなった設備を放置すると、実態より利益が大きく見えてしまいます。
処分や評価減の余地がないかを確認します。

9. 貸倒れ・回収不能の債権を整理しているか

回収できない売掛金がある場合、要件を満たせば貸倒損失として経費にできます。
長期間回収できていない債権を帳簿に残したままだと、課税所得を押し上げる原因になります。
回収可能性を見直し、損失計上できるものがないか確認します。

10. 保険・福利厚生の設計を見直しているか

法人保険や福利厚生制度は、設計次第で損金算入と将来の資金準備を両立できます。
ただし保険を使った節税は税制改正の影響を受けやすいため、最新ルールに沿った判断が必要です。
現在の契約内容が当期の方針に合っているかを確認します。

節税は「効果額とリスク」を比べて選ぶ経営判断

節税策を効果額とリスクで比較して選ぶ判断軸を示した図です

節税で大切なのは打ち手を増やすことではなく、効果額とリスクを比べて、自社の方針に合うものを選ぶことです。

10項目のうち、自社に当てはまるものは数項目かもしれません。 全項目を毎期確認するのは、抜けをなくすためであって、すべてを実行するためではありません。 確認したうえで「今期はやらない」という判断も、立派な経営判断です。

私たちが節税を提案するときは、「この手を打つといくら税金が減るのか」を、おおよそでも定量的にお示しします。 効果額が見えなければ、手間や資金繰りへの影響と比べて、やるべきかどうかを社長が判断できないからです。 あわせて、税務調査で否認されるリスクがある項目は、そのリスクも含めて説明したうえで、最終的に社長に選んでいただきます。

経営者が求めるものは、手元資金の最大化、事業の成長、事業承継など、会社によって異なります。 「とにかく税金を減らす」だけが正解ではなく、その会社の方針に沿った打ち手を選ぶことが、私たちの基本的な考え方です。 MC LINK会計事務所では、この10項目を節税検討シートで網羅的に確認し、効果とリスクを定量的に整理したうえで、外部CFOとして社長の意思決定を後押しします。

実際に、製造業の顧問先(年商数億円規模)では、決算の3か月前に全項目を点検しました。 効果額と資金繰りへの影響を比べた結果、当期は一部の打ち手を見送り、来期の役員報酬と共済の設計を整える判断につながった例があります。 節税の量ではなく、会社の方針に沿って選んだことが結果につながりました。

では、社長は決算前に何をすればいいか

決算前にやるべきことは、節税項目を自社の方針に照らして一つずつ確認することです。

まずは決算月の2〜3か月前に、この10項目を手元で確認してください。 そのうえで、効果額が分からない項目や、リスクの判断に迷う項目があれば、決算前のうちに専門家へ相談することをおすすめします。 決算日に近づくほど打てる手が減るため、早いほど選択肢が広がります。

節税は「払う税金を減らす」ためだけのものではありません。 会社の資金を、事業の成長と社長個人の将来準備にどう配分するかという、経営判断そのものです。 だからこそ、効果とリスクを定量的に示したうえで、会社の側に立って一緒に判断する相手を持つことが大切だと、私たちは考えています。

よくある質問(FAQ)

Q. 決算後でもできる節税はありますか? 一部はあります。たとえば申告期限内に行う特例の選択などです。ただし従業員賞与や経営セーフティー共済、事前確定届出給与など、効果の大きい項目は決算前・期中でないと実行できません。

Q. 節税のために決算前に物を買うのは得ですか? 事業に必要な投資であれば検討の価値があります。ただし税金を減らす目的だけで不要なものを買うと、手元資金が減るだけで逆効果です。

Q. 顧問税理士が節税提案をしてくれません。 節税項目を毎期確認しているかに加え、「いくら効果があるのか」を金額で示してくれるかが一つの目安です。効果額とリスクが分かって初めて、やるかどうかを判断できます。

Q. 役員報酬は決算前に変えれば節税になりますか? 当期分は原則として期中に変更できません。決算前に検討するのは来期の水準です。法人の利益と個人の税・社会保険を合わせて設計します。

Q. 小さい会社でも使える節税項目はありますか? あります。小規模企業共済や経営セーフティ共済は、規模の小さい会社でも活用しやすい代表的な項目です。


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【監修者】 丸山 悠由(まるやま ゆう)/ Yu MARUYAMA MC LINK会計事務所 代表パートナー 公認会計士/税理士/認定事業再生士/経済産業省 経営革新等支援機関/総務省 政治資金監査人

外部CFOとして、節税検討シートを用いた網羅的な決算前提案を統括。 公認会計士・税理士として、税務の正確性と経営合理性の両立を重視する。

[MC LINK会計事務所の体制] 公認会計士2名・税理士7名・国税OB税理士在籍/freee 5つ星認定アドバイザー 最大60億円の資金調達支援、資金調達成功率90%超の実績を持つ事務所として、 年商300万円〜200億円まで165社の顧問先を支援。

公開日:2026年7月9日/更新日:2026年7月9日 ※税制・各サービスの料金等は2026年6月末時点の情報に基づきます。

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この記事を書いた人

MC LINK会計事務所 代表パートナー/株式会社MC LINKパートナーズ 取締役
有限会社MC&Associates 代表取締役/株式会社MC LINKヘルスケア 代表取締役/株式会社MC LINK FAS 代表取締役
丸山悠由公認会計士事務所 代表

公認会計士/税理士/認定事業再生士/経済産業省 経営革新等支援機関/総務省 政治資金監査人

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