freee移行で給与ミスが止まらない会社の立て直し3手順

この記事のポイント
- freee移行直後の給与ミスは、ソフトの不具合ではなく引き継ぎ手順の抜けで起きます
- 社会保険料のズレは、旧システムとの並行期間と等級設定の取り込みで発生しやすい
- 給与ミスは社員の信頼を直接損なうため、月次が落ち着くまで放置できない問題です
- 立て直しには「数字の突合」「等級表の照合」「給与計上ルールと月次チェック体制の整備」の3手順が有効
- freee 5つ星認定アドバイザーの視点では、移行支援は設定より運用フロー設計が本丸です
こんな状況、ありませんか
freeeに移行したのに、なぜかミスが続いている。社会保険料の金額が合わない、源泉徴収の計算がずれる、社員から「給与が違う」と言われた——。
こうした問題を抱える会社は珍しくありません。クラウド会計・クラウド給与への移行は、設定を完了した時点で終わりではないからです。旧システムとの引き継ぎ、運用フローの整備、担当者の理解の確認まで含めて、はじめて移行完了といえます。
MC LINK会計事務所が支援した製造業のお客様でも、freee人事労務への移行直後に社会保険料の過不足が複数月にわたって発生しました。社長から出た「2回目のミスだから、社員に言えない」という言葉は、給与ミスが経営者にとってどれほど重い問題かを表しています。
この記事では、その立て直しの過程をもとに、freee移行後のミスを防ぐ3つの原因と3つの手順を断言します。
なぜfreee移行直後にミスが起きるのか

freee移行直後のミスは、ソフトの欠陥ではなく「引き継ぎ手順と初期設定の抜け」が原因です。
MC LINK会計事務所はfreee 5つ星認定アドバイザーとして、顧問先の99%以上にクラウド会計を導入してきました。その経験から言えば、移行直後のミスはほぼ次の3つに集約されます。順に解説します。
原因① 移行タイミングのズレと並行期間の混乱
freee人事労務への切り替えは、ある月から一斉に切り替えるのが理想です。しかし現実には、旧システム(PCAやfreeway等)との並行期間が必ず発生します。
この並行期間中、どちらのデータが正しいかが曖昧になります。社会保険料の設定が上書きされたり、過去月に遡って再計算が走ったりするケースが起きやすくなります。
特に注意したいのは、自動計算を一度解除して再設定するタイミングです。解除した月に再計算が走り、過去の計算結果まで変わってしまうことがあります。
原因② 等級設定の取り込みミス
健康保険組合から届く保険料改定通知をExcelで取り込む際、1行ずれて登録されることがあります。
差額が数百円単位で、かつ複数名にわたってズレている場合、ほぼ確実に取り込み時のExcel操作ミスです。1名だけ大きくズレている場合は、その個人の随時改定(昇給による2等級以上の変化)の反映漏れである可能性が高いです。
原因③ 給与仕訳・社保預り金の設定漏れ
freeeでは給与計算結果を会計データに連携し、給与仕訳を自動計上できます。ただし、この連携設定が不完全だと、毎月の給与計上時に手作業の修正が必要になります。
具体的には、健康保険・厚生年金・雇用保険の従業員負担分の預り金科目が正しく紐づいていない、住民税の特別徴収分の科目設定が抜けている、といったケースです。経理担当者の負担が一気に増えるだけでなく、預り金残高が月をまたいで合わなくなり、結果的に社保納付額のチェックも甘くなります。
MC LINK会計事務所が立て直した3つの手順

立て直しは「過去の差異を特定する」「現状の設定を照合する」「再発しない仕組みを作る」の順で進めます。
製造業のお客様の立て直しでは、この3手順を約3か月かけて実行しました。MC LINK会計事務所は1クライアントに経験5年以上×2名体制で担当を付けるため、移行のような複雑な案件でも品質を属人化させずに進められます。
→ 同じような移行トラブルを抱えている方は [クラウド会計導入支援ページ]
手順① 移行前後の数字を突き合わせる
まず「どの月から、誰の、何が、いくらズレているか」を特定します。
旧システムとfreeeの給与データを月ごとに並べて突合します。全員分を一度に確認しようとすると時間がかかるため、誰かの数字がおかしいという起点から絞り込むのが効率的です。
差額が複数名にわたっている場合は、個別の入力ミスではなく等級設定の取り込みエラーを最初に疑います。今回の製造業のお客様のケースでは、複数名にわたる数百円単位の差額が見つかり、改定通知の取り込みミスが原因と特定できました。
手順② 等級表と標準報酬月額の照合
freeeに登録されている各従業員の等級・標準報酬月額が、実際の健保・年金の通知と一致しているかを1人ずつ確認します。
特に確認すべきは次のタイミングです。9月の定時決定(算定基礎届)の反映、10月の最低賃金改定や昇給に伴う随時改定、改定通知が届いた月の保険料率の変更です。
随時改定(2等級以上の変動)が発生している月は、その月から等級が変わっているはずです。漏れていれば、その時点まで遡って修正します。
手順③ 給与計上ルールと月次チェック体制を整備する
ここまでで過去の差異は解消できます。ただし、それだけでは数か月後に同じことが起きます。再発防止には給与計上ルールと月次チェック体制の整備が必須です。
具体的には3つを並行で進めます。1つ目は、freee人事労務から会計データへの給与仕訳の自動連携設定を整えること。健康保険・厚生年金・雇用保険・住民税の預り金科目を正しく紐づけ、毎月の給与計上を手作業の修正なしで完了できる状態にします。
2つ目は、社保預り金と納付額の月次照合です。毎月の納付額が会計上の預り金残高と一致しているかをチェックする習慣をつけると、設定ミスを翌月以内に検知できます。3つ目は、給与計算後・支払前の最終チェック項目を文書化することです。等級変更月・賞与月・退職者の発生月は特に確認項目を増やします。
担当者が変わっても同じ手順でできる状態にすることで、属人化を防げます。MC LINK会計事務所では、freee導入支援を初期設定で終わらせず、ここまでを標準スコープに含めています。
税理士の選び方で結果はどう変わるか

freee移行の成否は、税理士がソフトに詳しいかではなく、会社の側に立てるかで決まります。
会計事務所には2つのタイプがあります。銀行や税務署の立場で「制度通りに処理する」ことを優先する事務所と、会社の立場で「経営に支障が出ないように整える」ことを優先する事務所です。
freee移行で給与ミスが起きたとき、前者は「設定通りに動いている」で終わります。後者は「社員の信頼を損なう前にどう立て直すか」を一緒に考えます。
MC LINK会計事務所は後者の立場を取ります。顧問先の99%以上がfreee・マネーフォワードを導入済みで、freee 5つ星認定アドバイザーとして外部CFOの役割を担います。税務申告だけでなく、資金繰り・補助金・M&Aまで顧問契約の中で対応するのも、この立場の延長線上にあります。
まとめ
freee移行後のミスは、freeeが難しいからではありません。
移行タイミングの引き継ぎ、等級設定の確認、給与計上ルールと月次チェック体制の整備——この3つを丁寧にやりきれているかどうかの差です。給与ミスは一度起きると社員の信頼を直接損ないます。
移行が完了したと思っていても、数か月後に問題が発覚するケースは珍しくありません。移行直後の3か月間は、旧システムとの突合を続けながら、freeeの設定を地道に整備していくことが大切です。
そして、この3か月を一人で抱え込まないことです。経験のある専門家と組めば、ミスが発覚する前に手を打てます。発覚してからでも、立て直しの道筋は必ずあります。
よくある質問
Q. freeeへの移行は自社だけでできますか
基本的な口座連携・科目設定は自社でも対応できます。ただし、給与・社会保険の設定は法改正や健保組合の料率変更が絡むため、移行タイミングで専門家の確認を受けることをおすすめします。年1回の改定通知の取り込み時に1行ズレるだけで、複数名にわたる差額が発生します。
Q. 社会保険料のミスが発覚したらどうすればいいですか
まず「誰の、どの月の金額が、いくらズレているか」を特定します。源泉所得税の過不足は税務署との相殺で処理できる場合があります。社会保険料の差額は、従業員に説明したうえで翌月給与で調整するケースが一般的です。
Q. freeeと旧システムを並行稼働させる期間はどのくらいが適切ですか
3か月を目安にする会社が多いです。ただし、並行期間が長くなるほど入力の二重管理が現場の負担になります。移行スケジュールを明確にして、早めに一本化することをおすすめします。
Q. freeeに詳しい税理士はどう選べばいいですか
3つの基準で見ると判断しやすくなります。freeeの認定アドバイザー資格を持っているか、導入支援が初期設定だけでなく運用フロー設計まで含まれるか、チャットやZoomで日常の質問に即対応してくれるかです。
Q. 移行のミスを防ぐには、いつ専門家に相談すべきですか
移行を検討し始めた時点が最適です。設定が終わってから相談では、すでに発生したミスの後追い対応になります。並行期間の長さや現場担当者の習熟度まで含めて事前設計できれば、ミスの発生確率を大きく下げられます。
MC LINK会計事務所のクラウド会計支援について
MC LINK会計事務所では、freeeの初期設定から月次クローズの仕組みづくり、給与計算体制の整備まで、クラウド会計が実際に使えるようになるまでを一緒にサポートしています。
- 顧問先の99%以上がfreee・マネーフォワードを導入済み
- freee 5つ星認定アドバイザー
- 公認会計士2名・税理士7名・国税OB税理士が在籍
- 1クライアントに経験5年以上×2名体制で担当
freee移行に不安がある方、すでに発生したミスを立て直したい方、まずは30分の無料相談でお話を聞かせてください。
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監修:MC LINK会計事務所 代表 丸山代表(公認会計士・税理士) 公認会計士2名・税理士7名・行政書士・国税OB税理士が在籍。freee 5つ星認定アドバイザー。 公開日:2026年4月/最終更新:2026年5月/本記事の内容は2026年5月時点の制度に基づきます。


